転職活動の流れを7ステップで解説
公務員を辞めようと思ったけど、
「転職ってどんな感じ?」
「転職したいけど、何から始めればいいか分からない…」
と感じていませんか?
まだまだ転職の文化が浸透していない公務員は、転職の情報が入りにくく、なかなか動けない人もいるでしょう。
当記事は、そんな方のために転職活動の7つのステップをシンプルかつ分かりやすく紹介しています。
履歴書づくりから内定、有休消化まで。
最初は「どうすれば?!」と戸惑うこともあるかもしれませんが、一つずつこなしていけば、確実に脱公務員のゴールは見えてきます。
まずは転職活動の全体像をつかんで、道筋を見定めていきましょう。
公務員からの転職活動、全体の流れはこの7ステップ!
「転職ってどんな感じ?」
「転職したいけど、何から始めればいいか分からない…」
という方のために、公務員から民間企業への転職で必要なステップを、最低限の7つに絞って紹介します。
ステップ①|求人を検索する
転職活動の第一歩は、求人を検索することです。
とはいえ、いきなり応募先を確定しなくてもOK。
内定をもらうまでに、自己PRを考えたり、面接を進める中で、応募先が変わってしまうのは普通のこと。
まずは“転職市場をのぞいてみる”程度の気持ちで大丈夫です。
求人を検索する方法は、主に次の3つ。
- 転職サイトを使って求人を自分で探す(例:リクナビNEXTなど)
- 転職エージェントから紹介を受ける(例:マイナビエージェントなど)
- スカウト型サービスに登録してオファーを待つ(例:ビズリーチなど)
どれを使えばいいか迷った場合は、まずは転職サイトに登録してみるのがおすすめです。
なぜなら、
- 最も手軽に、転職事情が分かって、
- エージェントを使うにしても、スカウトを使うにしても、サービスを最大限に利用するために最低限の転職事情を頭に入れておける
という理由があるためです。
使う転職サイトもアテが無ければ、「リクナビNEXT」がオススメです。
最大の特徴は、全転職サイトの中で最も求人件数が多いこと。
公務員からの転職は、ほとんど未経験業界・業種・職種への転職となり、広く・たくさん応募することになるでしょう。
ですから、求人掲載数が最も多い転職サイトが相性が良いのです。
転職先を検索して、気になる求人があれば、控えておきましょう。
ちなみに、応募資格が記載されている場合がありますが、必ずしも満たしている必要はありません。
結論から言えば、応募資格を満たしていなくても応募すること自体は可能です。例えば、「営業経験3年以上の方」と明記されている求人に、営業経験1年の方が応募しても問題ありません。
出典 リクナビNEXT 転職で応募資格を満たしていない求人に応募は可能?選考通過のポイント
(中略)
実際、応募資格を満たしていない方からの応募を受け付けるケースは少なくありません。企業側も、応募書類を見て「応募資格を満たしていないけれど、力を発揮してくれそうだ」と思えたら、面接で一度話を聞いてみようと考えるものです。
転職エージェントを利用すれば、エージェントが求人を紹介してくれます。
ただし、実は「紹介できる求人を持ってない」と言われる場合も少なくありません(実は公務員あるある)。
でも大丈夫。
確かに公務員は、IT人材などと違って、”引く手あまた”ではありません。
しかし、そのエージェントが求人を持っていないだけで、他のエージェントが持っている場合はいくらでもあります。
リクナビエージェント、マイナビエージェント、doda…非常にたくさんのエージェントがあり、同時に複数利用しても構いません。
ぜひ色々なエージェントを試してみてください。
ステップ②|履歴書と職務経歴書を作成する
応募する企業が見えてきたら、次は応募に必要な、履歴書と職務経歴書を準備します。
- 履歴書は、学歴・職歴・資格・志望動機・自己PRなど、基本情報を記載する書類。
ダウンロードはこちら(リクナビエージェント) - 職務経歴書は、これまでの仕事の内容や工夫、成果などを、自由形式で詳しく伝える書類。
ダウンロードはこちら(リクナビエージェント)
※リクナビエージェントの様式以外でもOKです。好きなものを使ってください。
履歴書と職務経歴書は、いわば“あなたのパンフレット”です。
パンフレットの中身がショボかったり、マニアック・難解すぎると、「商品を見てみたい」と思ってもらえないように、「面接しよう」とは思ってもらえません。
一方で、もし本気で仕上げれば、このようなメリットも得られます。
- 面接より書類審査の方が多いから、一番多く使える”武器”になる。
- ここで掘り下げておけば、自然と面接でもスキが無くなる。
- 公務員の仕事内容を分かりやすく説明する練習にもなる。
- 転職では、履歴書と職務経歴書こそが”第一印象”。人の好き嫌いに強く影響させられる。
ですから私は、履歴書と職務経歴書は一番時間をかけて作成してきました。
ぜひ、深く自分を掘り下げ、創意工夫を凝らし、時間をかけてじっくり丁寧に仕上げていきましょう。
自己PRできる強みが無いと悩んでいる方へ
書類の作成では強み・弱みを考えることが欠かせません。
しかし、「弱みは分かるんだけど、強みがなんて無い…」という方も多く見られます(誰しも、必ず強みはあります)。
そういう場合は、“強みを分析するツール”を活用するのも一つの手です。
例えば、クリフトンストレングス。
二千円強かかりますが、世界一有名な才能診断でありブランドはバッチリ。
Amazonなどで購入できる本にチケットがついており、診断サイトにアクセスして診断が受けられます。
他にも、無料のリクナビNEXTの「グッドポイント診断」でもOKです。
求人掲載数が最も多いため、そのまま求人探しに役立ちますし、転職サイトが提供しているので、転職での強みを前提とした診断をしてくれます。
また、強みの分析を通して、”本当にやりたいこと”が見つかる場合もあり、転職してから「なんか違う…」となることも防げるので、客観的な強みの分析は非常にオススメできます。
転職エージェントを利用すれば、履歴書・職務経歴書の添削もしてくれます。
一般人から見て分かりやすいか視点と、転職先が求める情報を提供できているか?という視点でチェックしてもらえる、という利点がありますので、ぜひお願いしましょう。
ステップ③|応募する
履歴書と職務経歴書が完成したら、いよいよ企業に応募してみましょう。
やり方は簡単、転職サイトなら求人情報から「応募する」ボタンを押すだけです。
“まず動いてみる”ことが何より大事です。
内定がもらえても、そのときに不安なことがあれば相手方に質問もできますし、気に入らなければ承諾しなければいいのです。
「えい!」と思い切って踏み出すことで、転職活動が現実のものとして動き始めめていくことでしょう。
転職エージェントを利用する場合は、エージェントが応募してくれます。
スカウトを利用する場合は、履歴書・職務経歴書を公開し、閲覧した企業から”面接をしたい”という連絡が来るのを待ちます。
※公開しても、氏名や勤め先などの個人情報は隠されますし、組織ごとに非公開を設定することもできますので、バレる心配はありません。
ステップ④|面接を受ける
書類選考を通過すると、次はいよいよ面接です。
ここでは「いかに優秀に見せるか」よりも、「この会社・仕事に合っているかどうか」を自然に伝えることが重要です。
なぜなら、無理に取り繕って評価されても、入社後にギャップが生まれてしまうリスクがあるから。
なぜその企業に魅力を感じたのか、どんな働き方がしたいのか、自分はどう貢献できるのか。そういった点を素直に伝えることで、結果的に求める人材と求める職業が最適な形でマッチングします。
面接の場では、履歴書・職務経歴書の内容をより具体的かつ応用的に話すことになります。
それもステップ②でしっかり準備したあなたなら、自信を持って臨めるはずです。
ところで、面接では「辞めたい理由」を聞かれることもあります。
特に「安定している公務員を、なぜ?」という疑問を持つ面接官は少なくありません。
このときに注意したいのが、「たとえ事実でも、前職の悪口を言わない」という転職活動の暗黙の了解。
愚痴に聞こえてしまえば、あなたの評価そのものが下がってしまいます。
面接前に辞めたい理由を整理し、それを“前向きな言い換え”にしておくことが重要です。
たとえば、こんな形で。
「残業時間が月100時間を超えることがあり、持続的なキャリア形成が難しいと感じました」
「過重労働で酷使されるんです」
「体制を守る仕事にやりがいを感じる反面、目標に向かって工夫し挑戦できる環境に魅力を感じるようになりました」
「事なかれ主義が嫌なんです」
こうした説明は、単に評価を下げないだけでなく、「”公務員なのに”こんな視点があるのか」と、世間のイメージを一気に覆すギャップを生み出すこともできます。
転職エージェントを利用すれば、模擬面接やフィードバックなどの実践的な面接対策ができます。
彼らは採用側のニーズを熟知しており、想定される質問の傾向や、企業に好印象を与える回答の方向性もアドバイスしてくれます。
ステップ⑤|内定をもらえた
おめでとうございます!
面接を通過できれば、企業から内定の連絡が届きます。
ただ、転職活動この時点ではまだ「入社確定」ではありません。
内定に対して、
- 承諾
- 辞退
- 保留
のいずれかを選択することになります。
このステップこそが、転職活動の山場。
人生を左右する重要な分岐点です。
焦らず、十分に比較・検討して判断しましょう。
ただし、保留できるとはいえ、返答を長引かせすぎると「じゃあ、別の候補者で」とされてしまうリスクもあるので、1週間以内を目安に返答するようにしましょう。
また、内定のタイミングでは「就労条件の確認・交渉」も可能です。
たとえば、以下のような条件はしっかり確認しておきましょう
- 業務内容や勤務地・勤務時間
- 入社日
- 給与や手当、ボーナス
- 有給休暇・福利厚生の内容
不足に感じる点があれば、交渉も可能です。
ただし、強気な姿勢や一方的な要望を伝えると、悪印象を与えることもあり、入社後の立場を悪くしてしまいます。
あくまで“常識の範囲内で丁寧に”が鉄則です。
就労条件の確認・交渉が不安な場合は、転職エージェントを通じて確認・交渉してもらうこともできます。
プロのサポートによって、伝えにくいこともストレスなくスムーズに調整できます。
ステップ⑥|退職手続き&有休消化
入社日が決まったら、退職の手続きを始めます。まずは直属の上司などに退職の意向を伝え、人事課へ退職願などを提出します。
「いつまでに退職を伝えるべきか?」とよく聞かれますが、公務員は民間と違って民法627条第1項の「14日前ルール」は適用されません。
実際、行政組織では、組織ごとにまちまちで、「14日前」「1ヶ月前」「特に期限なし」などと規定されています。
ただし、行政組織というのは人事異動の準備にとても時間がかかるため、できれば3ヶ月以上前に伝えるのが理想です。
早めに伝えておけば、万が一、後任の補充がなくても、「退職報告が遅れたせいで、補充されなかった」と思われにくくなるメリットもあります。
「居心地が悪くなるのが怖いから、できるだけ遅く…」という気持ちもわかりますが、遅れれば遅れるほど、かえって空気は悪くなりがちです。
また、上司には早めに伝えたうえで、「同僚にはまだ伝えないでほしい」とお願いしておくこともできます。完全な秘密は難しいですが、ある程度配慮してもらえるケースもあります。
さらなる、退職までの時間が長いほど、有休消化の計画も立てやすくなります。
「有休消化は周囲の目が気になる」という方も多いでしょうが、早めに伝えることで、深刻にとらえられにくく、「かなり先のことだし、まぁいっか」と考えられやすくなるでしょう。
つまり、入社日が決まったら、できるだけ早く、上司に退職を伝えた方がメリットが大きいのです。
ステップ⑦|脱公務員、おめでとう!
いよいよ、転職先で新しいスタートです。
最初は緊張や不安もあるでしょう。
「うまくやっていけるだろうか」「この選択で本当によかったのか」と自問する日もあるかもしれません。
でも今、あなたはあの閉塞感から抜け出し、自分の意思で人生を選び取りました。
かつてのあなたは、行政叩きのクレーム、増え続ける仕事と減り続ける人員、無茶な法改正対応、働かないおじさんのフォロー、トップの人気取り案件——そんな理不尽さから抜け出すことができました。
それはきっと毎日少しずつ、閉塞感から解放されていくのを感じるはずです。
一つの目標のために創意工夫し、自ら成果を積み上げていく喜び、尊敬できる上司を得て、スキルアップできる充実感、休日に仕事のことを考えなくていい生活——
もちろん、新しい転職先でも違和感を覚えるかもしれません。
しかし一度、転職を経験したあなたは、また何かに違和感を覚えたとき、「もう我慢するしかない」と思わなくなるでしょう。
もしかしたら、さらに転職を重ね、もっと良い給与・福利厚生を手にするかもしれません。
「あのときが、すべての始まりだった」と、心から思える日がきっと来ることでしょう。
転職活動の進め方Q&A
転職活動をしたことが無いと「進め方」が分からず不安になることが多いものです。
ここでは、特に多く寄せられる“転職活動の進め方”に関する3つのギモンに答えていきます。
Q1 転職活動はいつ進めますか?平日?休日?

A.企業の面接と転職エージェントの面談は、ほぼ平日の日中に実施されます。
ですから有休休暇を取って、都合を合わせる必要があります。
難しければ、当サイトの”公務員の仕事術”で時間を生み出していきましょう!
企業の面接は、ほとんどが平日の日中に行われます。
そして、企業側の都合に合わせられない応募者は、「入社したい思いが薄そう」と思われ、企業側が都合を合わせてくれることは多くありません。
転職エージェントは、休日も対応してくれることはありますが、同じように熱意を見せておけばサポートも受けやすいです。
ですから、
平日の日中は、有休休暇を取って、企業の面接と転職エージェントの面談を。
平日の夜や休日は、求人検索や書類作成、自己分析に充てるようにしましょう。
そして、いざ急な面接で有休を取れるようにしておくためにも、常に仕事の余裕も確保しておきましょう。
このサイトでは、転職活動の時間を作るための、すぐに実践できる”公務員の仕事術”を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Q2 退職してから転職活動するのはアリですか?



A.あまりオススメしません。
“安心して転職活動ができなくなるリスク”があります。
「もし、転職活動に集中出来たらなぁ…」と考える気持ち、よくわかります。
面接などが平日の日中に行われるため、もどかしく感じることもあるでしょう。
もしくは日々の仕事にメンタルを削られ、転職活動をする気力・体力が足りない場合もあるかもしれません。
しかし、転職活動前に転職してしまうのも、大きなデメリットが存在するのです。
- 「思ったよりうまくいかない」や「貯金が減るばかり」、「このままだったらどうしよう」といった焦燥感は意外と大きく、安易に妥協してしまう恐れが。面接を重ねることで自己PRが磨かれていくこともあるが、どっしりと構えて進められなくなる。
- 面接を重ねて気づいた自分の強みがあっても、退職していることでそれを活かすエピソードが作れなくなってしまう。
- 転職活動を進め、外の世界を知ることで「やっぱり公務員の仕事こそが自分に合ってる」と気づく人もいる。
よって私は、在職中に転職活動を行うことをオススメしています。
また、仕事と転職活動の並行で、タイムマネジメントや効率的に仕事を終わらせる能力を身に着ける必要に迫られ、より高い能力を身に着けた人を、私はたくさん見てきました。
Q3 年度末に転職したいのですが…



A.1・2月に内定なら、年度末に退職できるかも。
ただし「今の職場に迷惑をかけたくない」で転職の選択肢を減らしてしまうのは大きなデメリット!
まず転職においては「4月入社が当たり前」ではありません。
急な欠員に対して補充したいなどで、年中、求人しています。
そして、入社するタイミングは、内定の2・3か月後が多いとされています。
ですから、1・2月に内定がもらえれば、3月末退職・4月入社が実現する可能性が高くなります。
厳密には、決まっている内定前に、企業と求職者の間で”いつから働けるか”を調整できるのですが、両者の折り合いがつかなければ、そもそも内定がもらえません。
ところで、あなたが年度末で退職したいのはなぜでしょうか?
おそらく4月の人事異動に合わせて、欠員を出したくない、と考えられているのだと思います。
その考えは非常に立派ですし、私が転職するときも「できれば年度末がいい」と思っていました。
しかし、”年度末退職”に絞ることは転職に大きな支障が発生してしてしまいます。
- 1年で2ヶ月しか転職活動ができず、内定が無ければまた来年。むやみに年を重ねれば選択肢は狭まる。
- 短い期間だけしか求人を見られないから、選択肢も狭まる
- 日本では、いつでも仕事を辞めることでき、年度途中の退職は”悪”ではない
もしあなたが転職のチャンスを逃したり、妥協した転職先に満足できなかったとしても、職場は何も責任を取ってくれませんし、フォローもしてくれません。
それでもあなたは納得できますか?
ぜひ一度、「自分は、本当はどうしたいのか?」考えてみましょう。
まとめ|公務員からの転職は流れを押さえて一歩ずつ進めよう
公務員からの転職活動は、やるべきことが多く見えて圧倒されがちですが、流れを理解して一歩ずつ進めれば着実に前に進めます。
今回ご紹介した 9つのステップ は以下の通りです。
あわせて、転職活動の進め方に関する よくある質問 も解説しました。
まずは、転職活動のスタート地点である ステップ①|求人を検索する から始めてみましょう。
応募先を確定しなくても大丈夫です。
気軽に求人を眺めるだけでも、自分の選択肢や市場の状況が見えてきます。
「今の自分にもできそうな仕事はあるのか?」を知ることが、すべての第一歩です。
当サイトは、「ブラック公務員に愛想をつかした」という人達のために、公務員のための転職術・仕事術を紹介しています。
今あなたのもとに、”転職”というより良い人生の可能性が生まれているのなら、そのチャンスを掴まない手はありません。
ぜひ一緒に、あなたらしい生き方を取り戻していきましょう。






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