「自分の人生、ずっと公務員のままでいいのかな…」
そう感じながらも、日々の業務に追われ、気づけば何も変わらないまま時間だけが過ぎていく。
公務員として働くあなたが、そんな感情を抱くのは不思議なことではありません。
評価されない努力、やりがいの見えない仕事、理不尽なクレーム、変わらない人間関係…。
報われず、耐えるばかり日々の中で、「どこか別の場所なら、自分らしく働けるんじゃないか」と思うこともあるでしょう。
この記事では、実際に公務員から転職した人たちが、どんな理由で転職を決意し、どのような瞬間に“転職してよかった”と感じたのかを紹介していきます。
彼らが手放した、「安定」や「福利厚生」は大きなものです。
しかし、その代わりに、次のようなものを手に入れています。
- 一つの目標に向かって頑張れる
- スキルが身についている
- 目標となる上司・先輩に出会えた
- 在宅勤務などの柔軟な働き方ができるようになった
- 興味があることを仕事にできた
- 嫌な仕事から離れられた
- “働かないおじさん”のお守りがなくなった
一方で、公務員から転職して良くなかったこと・変わらなかったこともあったようです。
「転職=すべてが好転する魔法」ではありません。
しかし、「転職してよかった」と思えるために大事なことを徹底し、
たとえ理想通りでなくても、自分の選んだ道に納得して前を向いています。
あなたがこの先、納得できる働き方を見つけるヒントが、この体験談の中にきっとあるはずです。
公務員から転職してよかった!ひとこと体験談
公務員から転職した人たちは、
公務員の安定・福利厚生・年功序列・社会的信用といったメリットを手放して、
何を手に入れたかったのでしょうか?
ここでは、私が知り合った、公務員から転職した人たちは、このような理由で「転職してよかった」と感じていました。
- 一つの目標に向かって頑張れる
- スキルが身についている
- 目標となる上司・先輩に出会えた
- 在宅勤務などの柔軟な働き方ができるようになった
- 興味があることを仕事にできた
- 嫌な仕事から離れられた
- “働かないおじさん”のお守りがなくなった
公務員からの転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
一つの目標に向かって頑張れる

これまでは「とにかく失敗しない」が最優先で、窮屈に感じていました。
しかし、今は”売上”という絶対的な目標ができ、「どうすれば売上が伸びるか」と工夫し、行動を重ねて売上につなげていく毎日が、とても充実しています。
“売上”や”成約”、”モノやサービスの開発”、”客や仲間に喜んでもらう”といった明確なゴールがあり、それに向かって努力することは「自分たちの工夫や努力が成果に直結する」という実感が得られます。
たとえば、アイデアを出して実行し、それが数字として返ってくると、「自分の仕事が会社に貢献できた」と手応えを感じられ、仕事に前向きになれることでしょう。
組織も、その工夫や努力を認め、賞賛・評価してくれます。
この方は、
公務員の仕事は「クレームが来ないようにする」「指摘されないようにする」「トップ層の政治的な理由で仕事を決める」「新しいことに挑戦しても評価してくれない」などといったことに、何を頑張ればいいか分からず、やりがいが感じられていなかったそうです。
スキルが身についている



知人と話すたびに、時代から取り残されているような感覚がありました。
今はエンジニアとして働いていて、プログラミングやAIを使っていて、今の時代にあったスキルが身につけられている実感があります。
スキルを身に着けることは、そのまま自分が武器を手に入れたような感覚が得られ、仕事への自信や将来の安心感にもつながります。
本当の「安定」とは、”組織に依存しないこと”。
時代に合ったスキルを身に着けている、この方は、もし今の会社が傾いても、給与を落とさずに別の会社へ乗り移ったり、次はフリーランスを目指すこともできるでしょう。
目標となる上司・先輩に出会えた



「こんな風になりたい」と思える上司に出会うことができました
スキルだけじゃなく、視野の広さ・部下のマネジメント・気遣いなども素晴らしく、日々勉強です
この方は、転職先で素晴らしい上司に会えたようです。
ただ命令を下すだけでなく、「こんな風になりたい」と思える存在がいると、自分の未来像が強くイメージでき、成長への意欲が大きく変わります。
必ずしも素晴らしい上司・先輩に会えるとは限りませんが、活況な業界に身を置けば、やりがいを感じる仲間に出会える確率は高まるはずです。
在宅勤務などの柔軟な働き方ができるようになった



在宅ワークOKの会社に就職できました
フルリモートではありませんが、満員電車にすごくストレスだったのに気づきました
公務員では、業務内容や外部との対応、セキュリティの問題から、リモートワークやフレックス勤務などの柔軟な働き方が難しい傾向があります。
この方は、転職先の条件に「在宅ワークができること」を挙げていました。
働き方の選択肢が広がったことで、時間にゆとりが生まれ、生活が整い、家族との関係も良好になったという声があります。
また、中には「自宅近くの会社に転職することができて、通勤時間がとても短くなった」という方もいました。
興味があることを仕事にできた



私は、しゃべることが好きで、公務員時代も窓口対応にやりがいを感じていました。
経験も活かし、福祉系の営業に就いたことで、よりやりがいがあることに集中できています。
ノルマもありますが、”自分のトークでどこまでやれるのか”を試せているのも1つの楽しさです。
あとクレーム対応も、「成約する一発逆転のチャンス!」と思えるようになりました(笑)
この方は、公務員から退職する前は、窓口から離れて企画部門に異動しており、
そこでの資料の作成や組織内の調整に興味が持てず、”ずっと窓口をやっていたい”という気持ちに気付き、転職活動を始めたそうです。
当初は、販売職への転職を考えていたそうですが、昇進することでいずれ現場から離れることを考えたとき、転職エージェントの勧めもあり、営業職を選んだそうです。
公務員は、「異動すると転職なみに仕事が変わる」「何でもやらされる」という特徴があり、”これ一本で生きていきたい”とは真逆の仕事になります。
もし得意なこと・好きなことが決まっていれば、その道を究められる仕事はきっと”天職”になることでしょう。
嫌な仕事から離れられた



クレーム対応が苦手で、公務員時代はいつも手が震えていて、「このままでは限界が来てしまう」と転職を決心しました。
年収は下がってしまいましたが、酷いクレームが無くなったことで安心して、自分らしく生きられている気がします。
この方は、転職先に顧客対応のない社内向けの業務を選びました。
今では電話が鳴るたびに緊張することもなく、落ち着いた気持ちで仕事に向き合えています。
ミスをすれば指摘されることはあっても、怒声・罵声が無くなったことで、メンタルは改善し、
「いつクレームが来るか」という焦りも無くなり、ご自身本来のパフォーマンスが発揮できているようです。
できない自分を責めるのではなく、
今の自分を認め、自分らしく生きられる場所を選べるのも転職の魅力です。
“働かないおじさん”のお守りがなくなった



いわゆる、”働かないおじさん”のお守りが無くなりました
別の部署にはいるみたいですけど(笑)
この方は、「興味があることを仕事にできた」でもコメントをいただいた方です。
売上に貢献していることで、足手まといになるような人材と働かなくて済んでいるようです。
クビ規制が厳しい日本では、官民問わず”働かないおじさん(おばさん・若者)”はどこでも一定数いるものです。
ですが、能力・成果主義の組織では、”働かないおじさん”は優遇されることはありません。
一方、年功序列制の組織では、長くいるだけで優遇されたポジションを得られてしまい、おじさん本人もより固くポジションを守ろうとしてしまうでしょう。
公務員から転職して良くなかったこと・変わらなかったこと
転職したからといって、すべてがバラ色になるわけではありません。
環境が変わったことで良くなったこともあれば、逆に「こんなはずじゃなかった」と思う場面もあるものです。
ここではそんな声もいくつか紹介しておきます。



給料が下がりました。
公務員の経歴を活かした転職であれば、収入を維持・向上させることも可能ですが、
未経験の業界・業種ですと、公務員からの転職は収入が落ちやすいです。



人間関係が良好ではありませんでした。
官民問わず、人間関係の問題は付きまとうものです。
組織的な傾向はあっても、完全に避けるのは難しいのでしょう。



入社して半年間は有給休暇がなく、
公務員の福利厚生は恵まれていたことに気付きました。
公務員は、年次休暇として職員になってすぐにMAX20日が与えられます。
また、民間では育児休暇が2年とされることが多い中、公務員は最大3年取ることができます(育休給付金は出ませんが)。
公務員の福利厚生が手厚いのは確かです。



民間に行ったあと「特定の誰かではなく、社会のために頑張りたい」という気持ちに気付き、
公務員に戻りました。
民間企業の活動は、利益があってこそ。
「利益に関係なく、色々な人を公平に助けて、社会貢献したい」という方は、公務員が最も向いているのかもしれません。
「それでも自分の選択を後悔していない」



それでも転職したことを後悔していません。
自分で自分の歩む道を選べたことに満足しています。
また、今では公務員時代の経験も勉強であり、転職活動も、今の仕事も大きな糧になっていると思っています。
転職しても、給料・労働時間・肉体的負担・精神的負担すべてが良くなることはありません。
しかし、自らの人生をどう歩んでいきたいか、本当にしたいことは何かをハッキリさせて転職した人が後悔しているのをほとんど見かけたことがありません。
もし思った通りの会社じゃなかったとしても、
「納得して選んだ道だから仕方ない」と考え、
新たな転職先や独立などを考え、もう次のステージを見ている人が多い印象です。
また、一度転職を経験してしまえば、次に転職するハードルは低く感じやすい、というのもあります。
もしあなたが、「公務員をやめるのはもったいないのかな…」と迷っているようであれば、こちらの記事も参考になるでしょう。


「転職してよかった」と思えるために大事なこと
「転職してよかった!」──
そう思えるために大事なことは、「良い企業から採用してもらえるかどうか」だけでは決まりません。
実は、ここまで紹介した体験談にそのヒントが隠されています。
それがこの3つ。
- 転職の目的をハッキリさせる
- 希望条件に優先順位をつける
- 自分の強み・弱みを整理する
この3つを意識するだけで、転職で後悔しにくくなり、採用率も確実に上がります。
転職の目的をハッキリさせる
ただ「今がつらい」「やりがいがない」だけでは、転職理由としては不十分です。
というのも、どんな職場でも、多少のつらさや理不尽はつきものだからです。
大切なのは──
「どんなつらさが、自分にとって耐えられないのか」を明確にすること。
そのうえで、そのストレスの根本原因を回避できる職場を選ばなければ、また同じ悩みを繰り返すことになります。
たとえば、上で紹介した体験談では…
- 「やりがいがない」
→ なぜ? → 共通の目標がないから→
→ なぜ? → 一緒にがんばる仲間がいないから→
→ なぜ? → 自分にとって“仲間と努力すること”が原動力だから(部活が原体験) - 「スキルが身につかない」
→ なぜ? → 頑張っても評価されないから→
→ なぜ? → 周囲と差をつけられない環境にいるから→
→ なぜ? → 成果を正当に認めてくれる場所で、社会的に価値のあるスキルを得たい - 「尊敬できる上司がいない」
→ なぜ? → 目標が曖昧で指導がないから→
→ なぜ? → 成長の実感がないから→
→ なぜ? → 自分は生涯現役でいたい。刺激を受けられる存在が必要だから
このように、「なぜ?」を何回も繰り返して、自分の本音の“根っこ”を探ることが重要です。
それができていれば、転職先選びで迷いにくくなりますし、
面接で志望動機を問われたときも、言葉に詰まらず話せるようになります。
「目的のない転職」は、運まかせの転職です。
ですが、“自分の芯”をハッキリさせれば、転職はもっと納得のいくものになります。
希望条件に優先順位をつける
「理想をすべて叶えようとすると、選べなくなる」
転職を考えるとき、多くの人はこう思います。
- 年収は下げたくない
- リモートワークしたい
- やりがいのある仕事がしたい
- 人間関係のいい職場がいい
- 自分のスキルを活かしたい
しかし、これらすべてを完璧に満たす職場は存在しません。
そんな”誰にとっても最高な職場”があれば、超エリートによる採用争奪が始まります。
だからこそ、「自分にとって譲れない条件は何か?」をあらかじめ決めておくことが大切です。
さらに言えば、希望条件を
「絶対に譲れないこと」「できれば叶えたいこと」「妥協してもよいこと」の3つに仕分けしておきましょう。
こうしておけば、求人を見たときにブレずに判断できます。
そうしなければ、
求人票を眺めるだけで疲れ、当初の「転職の目的」を忘れ、条件だけで決めてしまうことにもなりかねません。
優先順位が明確なら、“完璧な会社”でなくても“納得できる職場”に出会えます。
自分の強みを知る
公務員からの転職活動においては、
英語や経理、プログラミングなどのテクニック的スキルで戦うよりも、
能力・志向を武器に戦うことが多くなるでしょう。
一般的に、公務員経験者は、次のような能力・志向が育ちやすい傾向があります。
- 何よりミスを避ける組織下で備わる”遂行力”
- スキを見せないクレーム回避で備わる”論理的思考力”
- 住民・議員・上司・業者・他部署などと確実に合意してきた”調整力”
- 制度を回す側として備わる”理解力”
- 何でもやらされてきた”オールラウンド力”
異動が「ほぼ転職」のような環境で働いてきた公務員こそ、こういった能力・志向が育ちやすいのです。
「でも、自分はこの”〇〇力”が苦手なんだけど…」
そう思われる方もいるでしょう。
確かに、人には向き不向きがありますので、全ての公務員経験者が5つのスキルを持っているわけではありません。
ですが一方で、その向き不向きのおかげで、あなたに備わったスキルもまたあるはずなのです。
ですから重要なのが「自分の強みを洗い出すこと」。
自分の強みを知らなければ、履歴書の内容は薄っぺらくなり、面接では自信を持てずオドオドしてしまうでしょう。
裏を返せば──
自分の強みを徹底的に洗い出すことができれば、転職市場でのあなたの価値は一気に高まるのです。
ぜひ、徹底的に自分の強みを徹底的に洗い出してみてください。
もし「自分の強みがイマイチ分からない・自信がない」という方は、
診断サービスなどを使うのオススメします。
例えば、クリフトンストレングスなどがいいでしょう。
二千円強かかりますが、世界一有名な才能診断でありブランドはバッチリ。
Amazonなどで購入できる本にチケットがついており、診断サイトにアクセスして診断が受けられます。
他にも、無料のリクナビNEXTの「グッドポイント診断」でもOKです。
リクナビNEXTは、求人掲載数が最も多いため、のちの求人検索で役に立ちますし、転職での強みを前提とした診断ができ、無料登録後に利用でき、勝手に転職活動が始まることもありません。
まとめ|転職して「よかった」と思える未来のために
公務員から転職した人たちは、「安定」や「社会的信用」といった大きなメリットを手放す代わりに、このようなこに「良かった」と感じていました。
- 一つの目標に向かって頑張れる
- スキルが身についている
- 目標となる上司・先輩に出会えた
- 在宅勤務などの柔軟な働き方ができるようになった
- 興味があることを仕事にできた
- 嫌な仕事から離れられた
- “働かないおじさん”のお守りがなくなった
一方で、「給料が下がった」「人間関係は完璧じゃなかった」など、理想通りではない現実もあります。
それでも、「自分で納得して選んだ道だから後悔していない」と語る声がほとんどでした。
では、どうすればあなたも「転職してよかった」と思える選択ができるのでしょうか?
それは、
転職の目的・条件の優先順位・自分の強みをあらかじめ整理し、
“自分にとっての納得”という転職の芯を作ることです。
- 何がつらくて、何を変えたいのか?
- 絶対に譲れない条件は何か?
- どんな環境なら、自分の強みを活かせるのか?(診断はクリフトンストレングス・リクナビNEXTなど)
転職とは、「自分の人生を、人任せにせず自ら選び取る」ことです。
あなたも、自分らしい未来に向かって、一歩を踏み出してみませんか?
コメント